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先生、目が死んでます。
2008/08/21(Thu)


 三浦くんが席に座ると、担任はクラスを見渡して僕たちの顔を確認した。
 やめろよ、そんな濁った目の確認なんて。目で訴えたものの、絶対にそれは届いていないだろう。
 担任は高らかに宣言した。
 
「今日からお前らにとっての戦場が始まる! でも、俺はお前らの味方にはなれない!! 何故なら――俺は、長生きがしたいからだ!」

 ワケが分からない。僕は唖然とした。口を中途半端に開いたまま、その状況に流される。
 担任は急に上がったテンションのまま、濁った目のままに続けた。

「この学校で、女子を敵に回した男に待っているのは『死』だ、覚悟しろ! セクハラ教師の汚名を着せられ、私生活にメスを入れられるなんて、俺はゴメンだからな!!」

 担任の私生活にメスて――本当に、ワケが分からない。つか、そんな情報は要らなかったんだけれど。だが、僕たちの心の声が担任に届くことはなく、彼の言葉は止まらなかった。つか、濁った目とハイトーンの演説の温度差が物凄く疑問なんだけど。

「これから、お前たちには様々な試練が襲い掛かる! 俺はお前たちを助けることはできない! お前たちは、全力でそれに打ち勝て!! 以上! じゃあ、入学式だ。ホールに向かうぞ! 委員長、新入生の挨拶の準備はいいな?」

 急に指を差されて、びくんと身体が震えた。
 指差されているのは――僕。自分の顔はきっと、どうしようもないほど引き攣っているだろう。咽喉が、渇いた。

「僕が、委員長ですか」

「そうだ。頑張れ!」



 これほど力の抜ける応援を、僕はこれまで受けたことはない。

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