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廊下は歩くためのものです |
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2008/08/02(Sat)
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ハルくん(お互い打ち解けた結果だ)と別れ、僕らは教室を探しに歩き出した。 校舎の中は白を基調とした空間で、清潔感たっぷりだ。昇降口からすぐの中庭に面した窓からは、花壇が見えて小さな花が見事に咲き誇っていた。 その脇の階段を上がり、教室を探す。 上がった先には、普段教室で使われているのだろう机が二つ並べてあった。その上には『ご自由にお取りください』というプレートと、印刷された校内地図が置いてある。 一枚手に取って見ると、僕らは教室を探した。 「……教室は北東の一番端か」 どうやら、聖ルイーズ学院はクラスごとに棟が分けられているらしい。東、南東、南西、北西、北東の五つの棟に、百合、蘭、桜、桃、薔薇の順に割り振られている。一階は共通の昇降口、二階の渡り廊下で五つの棟の何処へでも行けるような造りになっている。中央棟は職員室、生徒会室、文化部の部室棟として利用されている。三階から上は棟ごとに独立しており、実験室や調理室などもあるらしい。 校内地図を見ながら歩く。そのうちにガーという車輪の音が聞こえ始めた。 北東の棟の階段を上がり、顔を覗かせれば。スケボーをしている野球帽の少年が目に入る。 「やほー、こんちは!」 彼は声を上げるやいなや、僕らのほうへとスケボーに乗ってきた。目の前まで来るとボードから下りて僕の手を握る。彼の顔に浮かんでいるのは、スポーツ少年特有の爽やかな表情であった。 「オレ、佐倉凪。『ナギ』って呼んで」 「はぁ――僕は雪村護、こっちは伊達和臣」 「よろしくー」 和臣がそう言うと、ナギくんは後ろを振り向いて再びボードに――ってオイオイ!! 「あの、スケボー可ですか。廊下って??」 聞けば、彼は「何言ってんの?」って顔をした。 「え、ダメなん? だって一方通行とかないよー?? それにバイクじゃないし――」 延々、そう言われ続ける。 アレ?? 廊下を走らないのは常識だけど(そして、それが守られにくいことも常識なのだけど)、『廊下を乗り物で走らない』ってのも常識じゃなかったっけ。アレ? だんだん頭が痛くなってきた。何か、おかしい。 そして、もうそろそろナギくんの話を聞くのも諦めたくなった――いつの間に、彼の行っていた中学校の話になってるんだろう。どうして、彼の学校にはそういう常識がなかったんだろう。 うっかり、口から「うん、全然オッケだと思うよ」という言葉が落ちる。 すると、渇いた僕の声に気付かないまま。ナギくんは笑顔で「んじゃな」とボードを蹴って行った。 あれ? なんか、本当におかしくねぇ?? |
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