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入学式編目次プラス前書き |
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2008/06/27(Fri)
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こんにちは、菊水です。バラ組の生みの親っていうか、妄想の主っていうか。まぁ、そんなカンジです。何かありましたら、メルフォかコメントで呼び出してくださいね。 バラ組を始めてから、一か月くらい放置してましたけど。ってか、放置グセがあって大変申し訳ないんですけど。色々忙しかったんですとか、言い訳させてください。 そんときは、ランキングにも参加してなかったし、これも某雑誌の小説大賞に応募して落ちた作品だったんですよ。でも、やっぱり形にしてやりたかったので、こうしてブログデビューとなったわけです(IN 六月) あと、菊水が教授に小説のアドバイスもらってへこんでたのが更新が滞った理由の一つです。精進しますです、教授。だから、私の枯れ葉みたいな脆い心にバズーカかまさないでください。 あと、お盆期間は自主的に多めにお休みとりました← だって、いろいろ忙しいんです。中のヒトは虚弱なんですよ……なんてね(笑 まぁ、現時点で菊水は大学四年で、就職活動する心も折れた状態だったりします。世の大学四年生さんは、私のようにはならず、一生懸命、就職活動してください。でないと、最終的にニートになるよ!!! ブログ自体は、六月十九日から始めましたが。次の更新はその一ヶ月あとでした。 七月二十七日にはランキングに参加させていただいて、同月末日には十二位という数字をいただきました。これもひとえに、バラ組を見ていただいている皆様のおかげです。ありがとうございます。 読みにくい面もありますでしょうが、これからもよろしくお願いします。 六月吉日 菊水。 ≪入学式 目次≫ クリックすると、一気にそのお話に飛ぶよ。 第01話 アイツと僕の話 第02話 これは何のドッキリだ。 第03話 ドッキリ計画の全貌 第04話 それは唐突な事でした。 第05話 きっと、これは悪い夢なんじゃないか 第06話 クラス編成が異常 第07話 馬鹿がぶつかったものの正体っていうか、何というか 第08話 廊下は歩くためのものです 第09話 皮肉屋と腹黒。 第10話 あれ、さっき会いませんでした? 第11話 魔物は学校に潜んでいる。 第12話 先生、目が死んでます。 第13話 所詮、僕なんてこんな役割! 第14話 異文化襲来。 第15話 遺伝子の悪戯。 第16話 本当に、ここは神様のいる学校ですか? あとがき よろしかったら、ブクマのランキングか下の投票ボタンにポチリ投票お願いします。 あなたの1票が、中のヒトのやる気に繋がります。よろしくお願いします。 ![]() |
アイツと僕の話 |
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2008/07/19(Sat)
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桜舞い散る四月七日。僕、雪村護は駅で友人の伊達和臣を待っていた。 今日が栄えある僕らの高校の入学式だというのに、待ち合わせ場所にヤツの現れる気配は全くない。 駅構内のモニュメントの前は市内有数の待ち合わせスポットで、分かりやすいようにと待ち合わせ場所をそこにしたというのに。駅からも近いから、電車通学の友人にも優しいようにとそこにしたのに。 時刻は間もなく八時十五分。八時に待ち合わせたのはいいものの――入学式は九時半、九時までに登校するようにと母に言われている。頭をかいて溜め息をついた。 残念なことに、僕はあまり地図を見たりするのは得意じゃない。こういう言い方もアレだが、方向音痴なのだ。携帯電話のナビ機能があるとはいえ、学校の場所を正確に把握しているわけではない。だからこその待ち合わせだったのだが――携帯電話を取り出し、文句を言おうとダイヤルした。 すると、近くで時代劇のテーマが流れる。そちらを向けば、清々しい笑顔をした男が一人歩いてくるところだった。その顔は見覚えがありすぎて、忌々しいくらいだった。 「マモル、悪ィ」 名前を呼んだ人物――ヤツが、伊達和臣だ――を睨み付ける。 「……『悪ィ』じゃないだろう。僕は結構待ったんだけど」 「だからぁ、悪ィって言ってるじゃん? まあ、行こうぜ?」 だが、ヤツは怯む様子もなく僕の不満を受け流す。 腹が立たなかったかといえば嘘だ。でも、こんなことに一々腹を立てていたら、僕は若くして高血圧で死ぬだろう。だから、それをぐっと飲み込んだ。 「そうだな」 と。一言で片付けて、和臣を置いて歩き出す。 確か、住所によればこちらだったはず……携帯電話のナビ機能に感謝しながら数歩進めば、背中に軽い疑問の言葉がぶつけられた。 「で。マモル、どこ行くの?」 たたたたたっ。隣りに並んだ和臣が、「?」と僕の顔を見る。 携帯電話のナビによれば、行き先は間違ってはいないハズだけど――何を言ってるんだろうと思いながら、僕は答えた。 「香峰」 僕の言った『香峰』とは、香峰学園高校という私立高校だ。去年、創立百年を迎えた、歴史のある学校だったとか。スポーツが盛んだとか。そういう話を聞かなかったわけではないが。僕がそこを選んだ決め手になったのは、私立の男子校というところだった。 今どき何をと言う人間は多いし、僕には同性愛のケはない。では、何故選んだのかというと……同年代の女子にトラウマがあったからだ。 正確には、一つ上の姉にいびられ、虐げられているうちに――姉にしてみれば、「それは可愛いじゃれ合いでしょう」というからタチが悪い――僕には同年代の女性に対するトラウマ的なものが出来上がっていったのだ。 それを知っているはずなのに、和臣の反応は何となく解せない。確か、母から「高校、カズくんと一緒なんて、仲いいわよね」と言われたから(僕と和臣の家の母親同士は姉妹かというほどに仲が良すぎるから連絡が密なのだ)、コイツに電話したのが数日前で……僕が考え始めると、ヤツは口を「あ」の形にしてうんうん頷いた。 「あ、なる。さっさと行こう」 「何だよ、お前」 「いいからいいから。早く、行こう」 急に何かを察した和臣に嫌な予感を覚えずにはいられなかったけれど、方向音痴の僕には場所を知っているヤツについていくしかないのだ。 僕の隣りを、鼻歌を唄いながら歩く和臣の顔を見て、僕はヤツに気付かれないように、小さく溜め息をついた。 |
これは何のドッキリだ。 |
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2008/07/21(Mon)
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高校の入学式。思春期ってのは、夢とか期待とか、そんなのを持つなんて格好悪いと思う年頃だ。ご他聞にも漏れず、僕もそれだけど。表に出さないだけできっちりそれは持ってる。 駅から五分程度歩いた場所が香峰学園学校だとあったが。住所の場所は、 「あれ」 さら地だった。 細かすぎる白い石――たぶん、校舎を壊したときに出たコンクリートのカケラだろう――が、地面を覆っている。 おかしいとは思った。高いレンガ造りの壁の向こう側には、何も見えなかったし。入学式があるはずなのに、やたら静かだし。 「校舎、ない」 混乱した頭ではそれだけ吐き出すのが、僕には精一杯だった。 昨日までの僕の胸の高鳴りを返せ。 縋りつくようにして周りを見れば、眼鏡の老紳士が一人そこを見ていた。 「あの、すいません。ここの高校って……」 きっと、結構前からいたに違いないと決め付けて、僕は老紳士に駆け寄った。僕が尋ねると、彼は「あぁ」と短く息をつき、眼鏡を持ち上げた。目尻にはうっすら涙さえも浮かんでいる。 「残念ですが――香峰学園高等学校は、三月三十一日をもって閉校となりました」 「は?」 これを言ったのが和臣だったら、僕はヤツの胸倉掴んで揺さ振っていただろう。 老紳士はそれだけ口にすると涙を零した。アスファルトに雫が落ちる。 これ以上何か言えば、彼の心を苦しめるのか。想像できたものの、僕だって切実な問題だ。だって、通うべき高校がないんだから。 しかし、僕が質問をしようとした瞬間、和臣が僕の首に手を回した。半ばホールド状態で引き摺るような格好のまま、ヤツは老紳士に愛想笑いを浮かべながらその場を後にする。 「まぁ、いいから。早く行こうぜ」 僕はこの時点で、ヤツが楽しそうに笑っているのに疑問を持つべきであった。 っていうか、これから僕はどこに連れて行かれるんだ??? |
ドッキリ計画の全貌 |
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2008/07/21(Mon)
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それから十分ほど歩いただろうか。 隣りを歩く和臣の顔がとてもイイ笑顔なのが気になったものの、尋ねてもはぐらかされ、何を言っても無駄だと悟る。 よくよく考えてみれば、だ。母親は、僕が高校に入ると思っている。それに、『和臣と一緒』と言ってもいた。だったら、僕は騙されているのだろうか。それに、僕に『どこの高校に入るのか』知らせない必要が何処にあるのだろうか。考えているうちに、外面のいい姉の顔を思い浮かべてしまって、僕は憂鬱になった。 まさか、あのヒト何か変なこと企んでるんだろうか。 不意に僕の携帯電話が鳴いた。ポケットにしまっていたため、鈍い振動が伝わる。サブディスプレイを見ると、一文字『姉』と出ており――僕はさらに憂鬱を噛み締めた。無視出来るはずもなく、通話ボタンを押す。 「「あー、マモルぅ。遅いよ」」 電話の向こう側の声と、近くで聞こえた声が重なる。げんなりした。 今どきの女子大生らしい格好をした姉と、入学式用の上等なスーツ姿の母親がそこにいた。 「母さん、と。姉さん……」 濁った目と沈んだ声でアピールしても、姉はそれらを無視して僕の背中をそれはもう勢いよく叩いた。 「よ! 遅かったじゃないの」 ものすごく痛いのを視線で伝えようとしても、姉に通じることはなかった。 そんな僕らの様子を微笑んで見守る母親は、おっとりした動作で口に手をやって目を細めた。 「入学式に間に合ったから問題ないわよ」 僕はそこで、二人のいる場所をよくよく見てみた。 石と鉄製の柵と塀。中から聞こえてくる姦しい声――なんとなく覚えがあるような。けれど、それがどんなものか、具体的に思い出せない。僕は眉間にシワを寄せた。 「ここ受けたっけ??」 「受けたじゃない、どこよりも先に」 「??」 記憶を総動員しても、なかなか思い出せない。 頭をかいていると、「心底面白い」というように、姉の顔が歪んだ――これは、あまり女の子にして欲しい顔じゃない。 次に口を開いたのは姉ではなく母親だった。 「ほら。私が勝手に申し込んで、受け終わってからアンタ少し怒ったじゃない」 記憶の中から――それも、もう忘れようと努力してすっかり埋もれていたカケラが掘り起こされてきた。 入試のとき、身に覚えのない場所に連れて行かれて。一クラスくらいのところに入試志願者が押し込められて。そのあと、面接を受けて。よくよく学校名を見てみれば……思い出してきて、僕はよろりよろめいた。 ふらつきながら、学校名を確かめるためだけに門へと向かう。 「あ、れは。確か」 記憶違いであって欲しいという願いは、僕の後ろで声を上げた姉の手によって見事に打ち砕かれた。 「そう。アタシの母校『聖ルイーズ学院女子高等学校』」 そう。受験の日に校門を出てから、よくよく学校名を見たところ、素晴らしいくらいに『女』の文字が輝いていた。太陽の光を浴びて、きらきらと。 「だって。アレ、女子校で」 「今年――あぁ、もう去年かしら――から男子も申し込みあったんだもの。それで、名前も変わったのよ? 『聖ルイーズ学院高等学校』の女子部と男子部って」 確かに、門には母親が言ったとおりの学校名が記されていた。しかし、だからといって問題がないわけではない。 「そもそも合格したなんて聞いてないし、香峰も廃校になったって今日初めて聞いたんだけど」 「あら? 私、お姉ちゃんに頼んだわよ? 『言っといてね』って」 ゆったりと、母親の首が傾く。 僕は油の切れたブリキの人形みたいに、関節をギシギシ軋ませながら姉のほうを向いた。 にんまり。和臣と姉が示し合わせたように両手を広げてポーズを取る。 「「ドッキリ成功☆」」 「ばかぁああああ! 何してくれるのさぁああああ!!」 僕の周りの入学者とその保護者たちが一斉にこっちを見てくるが、もう、知ったことじゃない。これは、もうタチの悪すぎるイタズラ――いや、イタズラのレベルを遥かに超えた犯罪だろうと思えてならない。 ならないのだが……姉と和臣に、罪の意識なんてあろうはずもない。 少なくとも、姉に僕の意思を尊重するような心意気を感じたことは今までなかった。 この場に体育座りで落ち込みたい衝動に駆られたが、そんなことも出来ず。僕はただ、その場で二人ののん気な会話を聞いているしかなかった。 「やー、よかったよ。俺、一人だと心細かったしさぁ」 「いいじゃん、マモルぅ。女の子と仲良くなるチャンスなんだし――女の子に対する苦手意識なんて持っちゃダメよ??」 誰のせいだと騒ぎたかったが、言葉を発する気力もなくなった僕は母親の顔を見た。 「うふふ、今日から頑張ってね」 ヒトの話をウチの家族は聞こうとしない。 友人も僕の味方じゃない。切なくて泣きたくなった。 恨み言を言おうかと姉を見れば、彼女は既にその場にはなかった。 辺りを見回せば、校門の外の曲がり角の向こうで自転車に跨る姿がある。 「じゃあ、お姉ちゃん大学行くから! 頑張ってね?」 その背を見送るしか出来なかった自分が、とてつもなく切なく感じたのは内緒だ。 |
それは唐突なことでした。 |
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2008/07/23(Wed)
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聖ルイーズ学院はカトリック系の私立高校だ。一般的なイメージだと、お金持ちのお嬢様学校というものが大半を占める。伝統を重んじ、その歴史は百五十年近いらしい。しかしながら、女生徒だけでは経営が苦しく、男子の受け入れを試験的に実施した。その男子受け入れの第一号が僕らだという――母から聞いたのはおおよそ、そういう話だった。
門の内側に入ると、そこは女の園であった。まさに文字通りの光景に、僕は項垂れながらも足を進める。 黒い髪でセーラー服のお嬢様がたが、「これでもか」というほどに笑顔で会話している。そこかしこから聞こえる「御機嫌よう」の声に僕は頭を抱えた。さようなら、昨日までのドキドキ。こんにちは、現実。 「あーもー、最悪だよ」 女の子に対する苦手意識を抱えてる僕にしてみれば、これは軽い拷問だ。しかも、それを分かっているはずなのに、和臣はとてもイイ顔のままだ。腹が立って仕方ない。 「そう? ほら、早く入学式行こうよ。あと、コレ」 「何」 差し出されたのは一枚の紙だった。 和臣が補足の説明をする。 「マモル、入試の点数一位だったから、新入生のコトバを言わなきゃならないらしい」 「……はぁあああ??!」 望んでもいない高校で、新入生代表だなんて。どんな冗談だ。 「うわわわわわ、早く見せろよ! 練習しなきゃ!!」 引っ手繰ると和臣は頬を膨らませた(男がそんな顔をしたって可愛らしくも何ともないっていうのに、何でそれをするんだろう)。 「そんなに慌てなくても」 「和臣が落ち着きすぎなんだよ!」 「そうかなぁ――あ、」 声を荒げた僕の背を叩いて宥めながら、どこか遠くを指差す。 「あっちすごいヒト来てるぞ」 「誰」 和臣が指を差した先にあったものは、漫画で見る光景だった。 |





